診療内容

小児科
お子様の様々な疾患を診させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
当院で検査・治療ができない場合、専門の医療機関をご紹介いたします。
予防接種・乳幼児健診も専用時間を設けて対応していきます。
アレルギー科
気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など。
治療ガイドラインに沿った、標準的な治療を心がけています。

アレルギーについて

アレルギー疾患は、国民の約4割が罹患するとういう報告があります。なかでも花粉症、食物アレルギーは増加傾向です。

体質でアレルギー素因があると、喘息とアトピー性皮膚炎のように複数のアレルギー疾患を同時にもつことが多いため、乳幼児期に適切な治療をして遷延や重症化を防ぐことが大切です。

気管支喘息

気管支が過敏になる性質があると、種々の刺激により、気管支の収縮、気道粘膜の浮腫と炎症、粘液の分泌が生じ気道が細くなってしまいます。それは発作的に起こり、繰り返します。

発症要因

気管支喘息の発症には、多くの因子が複雑に関係しています。
アレルゲン・感染・運動・気象条件・冷気・大気汚染・アスピリンなどの薬剤・緊張、ストレスなど心理的な要因などで発作は起こりやすくなります。アレルゲンには、ダニ・埃・カビ・花粉・動物の毛・鳥の羽毛など多彩です。気道の過敏性は、発作が起きていないときにも存在しているので風邪をひいたり、前述した要因で反応しやすくなります。

症状

ヒューヒュー、ゼロゼロの咳が出ます。咳嗽の持続・夜間、早朝の咳、運動時の咳込みなどで喘息を疑います。
咳だけで、日常生活は普通にできても、夜間の咳で眼が覚める、食欲がなくなる、息苦しくてお話が普段どおりに出来ないなどがあります。小さいお子さんでは、咳き込んでミルク・離乳食を吐いてしまう、抱っこしないとぐずって眠れないなどの症状があります。

重症度

1.急性発作の重症度

急性発作時の治療選択を行う上で重要になります。小発作、中発作、大発作および呼吸不全の4段階に分けられます。

2.重症度

一定期間に喘息症状がどのくらいの頻度、程度でおきたか、現在治療で使用しているお薬内容をもとに判定します。
長期的な治療管理法の選択の上で重要です。間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の各ステップに分けられます。

薬物治療

1.発作を予防するお薬

  1. ロイコトリエン拮抗薬(オノン、シングレア、キプレス)
  2. ステロイド薬(フルタイド、キュバール、パルミコートなど多種類あり)

吸入薬・のみ薬があります。年齢や継続のしやすさで決めます。
現在では、過敏になった気管支の炎症を抑える1番のお薬です。決められた量を使用していれば、ほとんど問題はありません。患者さんにあった薬剤の種類と量を検討しながら治療を行います。

2.発作が起きた時の薬

気管支拡張剤(メプチン、ベネトリン、ホクナリンなど多種類あり)
吸入薬・のみ薬・貼り薬があります。発作のときに使用します。種々の要因で狭くなった気管支を広げる働きがあり、治療効果が早いのが特徴です。ただしこれだけで喘息は治りません。気管支で起きている炎症をしっかり抑えることが重要です。

喘息の治療管理について

喘息の治療は、日常生活の中で毎日お薬を飲んだり、吸入したりと継続して行う必要があるため根気がいります。短くて3か月間発作がないことを確認して、お薬を減らすことを検討します。患者さんの年齢や重症度、経過によって、治療内容、治療期間が変わりますので、どうぞご相談ください。
喘息日誌やピークフローを使用するなど、患者さんの年齢・生活環境に合った喘息治療を考えていきます。

現在、気管支喘息は適切なお薬でコントロール可能な病気です。
喘息に苦しむことなく、誰もが日常生活を思い切り楽しめるようにしましょう。

食物アレルギー

ある人が特定の食物によって、蕁麻疹、下痢、腹痛、咳や息苦しさなど不利益な症状が出現します。本来害のないはずのものに対して体の免疫機能が過敏に働いてしまいます。

原因

患者さんの年齢や体質によって全く異なります。全員ではありませんが、乳幼児期に症状が出ても成長につれて食べられるようになってくることが多いです。

診察検査

食物アレルギー検査には、血液検査、皮膚テスト、食物経口負荷試験などがあります。それぞれのお子さんに合った時期に行い、正しい診断をつけて食事の進め方を決めます。
また、じんま疹、赤くなる、腫れるなどの皮膚症状・腹痛・嘔吐・下痢・咳・呼吸困難などの悪化や、症状が複数現れるようなアナフィラキシーを起こしたときの対応が大切です。

現在、当院ではアレルギーの血液検査を実施しています。その他の検査が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介し連携をとって対応いたします。

食物アレルギーの子どもをもつ親御さんの不安、食事を用意する毎日の苦労は大きいものです。幼稚園・保育園や学校と協力しながら、ご本人・保護者の方が正しい知識を持って豊かな食生活を送れるように努めて参ります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚が赤くなったり、ガサガサしてかゆくなるなどの症状が慢性的(乳児2か月以上、その他6か月以上)に続き、症状も良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
上手にお話しのできない1歳未満の赤ちゃんでも、お着替えで洋服をぬぐと、身体や足を擦っているので痒い様子がわかります。

湿疹の出やすい所は、年齢によって変化します。赤ちゃんは顔・頭、幼児期は頸、肘や膝の裏、学童期は皮膚がやや硬くなり、湿疹の範囲もさらに広がります。診断は、乳幼児期には一時的な湿疹かどうか、経過をみて判断する必要があります。アレルギーの血液検査だけでは必ずしも判断できません。アトピー性皮膚炎は、短期間で治ることはないので根気よく治療を継続することが大切です。

1.原因アレルゲンの除去 2.スキンケア 3.薬物療法(外用薬・内服薬) が主な治療方針になります。

原因になるアレルゲンの多くは、室内のダニ、ほこり、そして花粉です。卵・ミルク・小麦など食物が原因のこともあります。 汗や食べ物の拭き残しによる肌の汚れ、衣類などが刺激になって症状がひどくなることがあります。

スキンンケアは、肌の清潔を保つことです。お風呂は、顔も石鹸を泡立てて優しく洗い、よく洗い流してください。熱いお湯は避け、ぬるめのお湯がよいです。汗や埃が気になったらシャワーで適宜洗い流すようにしましょう。

ぬり薬は、保湿剤・副腎皮質ステロイド・タクロリムス軟膏を使用します。
保湿剤は、将来のアトピー性皮膚炎の発症を予防することがわかっています。少なくとも1日1回、お風呂後約10分以内に毎日塗布すると効果が上がります。ステロイドと同時に使用する時にはステロイドの上から重ねて塗ってください。

ステロイドは皮膚の赤みカサカサが強い時には、しっかり厚めに塗るようにしましょう。短期間で炎症を鎮め、少しずつぬり薬の1日の回数を減らしていきます。 タクロリムス軟膏は免疫抑制薬のタイプの軟膏です。ステロイドより分子量が小さいため、炎症がある皮膚にのみ効果があるメリットがあります。2歳以上の子供に使用できて顔のアトピー症状に高い効果があります。

のみ薬は、乳幼児が使用することは少ないです。
痒みが強く眠れない、搔き壊してしまうなどがあれば、抗ヒスタミン薬を使用することもあります。
また、ぬり薬では十分な効果が得られない場合や、気管支喘息・アレルギー性鼻炎など別のアレルギー症状がある場合には、抗アレルギー薬を使用することもあります。

アレルギー性鼻炎

患者さんが非常に多いです。毎年決まった季節に症状がでる、鼻汁、鼻閉が長期間続く患者さん、症状が軽い~重いまで様々です。
アレルギーの血液検査は、おおかたの原因の目安はつきます。但し、原因が複数、血液検査に結果が現れにくい、特定アレルゲンとは無関係に寒い屋外から暖かい部屋に入ってきた時など、寒暖の変化で症状が出る場合などは、血液検査での診断は困難になります。

症状が軽い場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服薬や点鼻薬で症状の経過をみます。
気管支喘息の治療薬でもあるロイコトリエン拮抗薬は、長引く鼻閉に効果が期待できるので、使用していただくことも多いです。

点鼻薬は、抗アレルギー薬、ステロイド薬を主に使用します。ステロイド点鼻薬は鼻閉が強い方に効果が期待できます。血管収縮剤のタイプは即効性がありますが、効果は一時的です。重症な場合に限って使用し、のみ薬、点鼻薬の組み合わせで症状が軽くなれば1~2週間以内で中止します。

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